『プログラマーになりたい!』プログラマーの仕事を大枠で理解する

書籍

プログラマーになりたい!』は,「プログラマーの仕事を大枠で理解する」をコンセプトにした本です。この一冊でプログラマーの仕事の内容,Pythonの基礎,Webアプリケーション開発の大枠がわかるようになります。

プログラマーを志している人におすすめ

本書は,プログラマーを志している方におすすめです。

今ある入門書を見てみると,ある本はプログラミングの基礎はすごくしっかり書いてあるのですが,実際のアプリケーション開発の部分があまりなく,別の本はアプリケーション開発の部分が充実してりうのですが,入門者には難しかったり,プログラマーの仕事そのものについてほとんど触れていなかったり……。

プログラミングに関する本を読んだことがある方なら,一度は感じたことがあると思います。本書は,これらの流れの大枠がわかるので,自分がプログラマーとしてどのようなことをすれば良いかがわかります。

『プログラマーになりたい!』の目次

本書の構成は,以下の通りです。

  • 第1章:プログラマーの開発の仕事
  • 第2章:Webアプリケーション開発の基本
  • 第3章:Pythonの基礎の基礎
  • 第4章:Webアプリ開発—開発環境の作成
  • 第5章:Webアプリ開発—コーディング
  • 第6章:Webアプリ開発—デプロイ
  • 第7章:プログラマーのスキルアップ

第1章は,プログラマーの仕事について学びます。第2章ではWebアプリケーション開発の基本について学びます。第3章でPythonの基礎について学んだあと,具体的なWebアプリ開発の流れが紹介されます。

仕事>Webアプリケーション開発>Pythonの基礎>各工程といったように,どんな仕事をしているのかという全体像からWebアプリケーションはどうやって作るのか,Pythonではどのようにするのかといったように徐々に内容が具体化していくので,イメージがつかみやすいでしょう。

エンジニアのキャリアのふたつの道

いわゆるソフトウェア開発企業にエンジニアとして就職したとします。現状では現場のエンジニアとして一定の経験を積んだあと,マネジャーとなり,部長となるような,一本道なキャリアパスを採用している会社が多いです。ですが,それだとマネジメントに進むしか出世の道がありません。そのため,米国ではエンジニアとしてキャリアを積んでいく考え方が登場し,これを採用する企業が増えています。

ふたつのルートは次の通りです。

  • エンジニアルート
  • マネジメントルート

エンジニアルートは,技術力を高めていく道です。

マネジメントルートは,VP of Engineering(技術部門のマネジメント責任者)になります。

これらは良し悪しではなく,プレイヤーとしてその道を極めたいか,マネジャーとなりたいかといったように,その人の適正です。国内のIT企業でも複数のキャリアが選べるようになってきています。

開発の大まかな流れは4段階

Webアプリケーション開発は,全体で4ステップで進みます。

  1. 開発環境の作成
  2. コーディング
  3. テスト
  4. デプロイ

開発プロセスは,大きく2段階に分けて考えることができます。まず最初は(広い意味での)コーディング。アプリケーションを作り上げていく作業です。

ゼロから開発プロジェクトが動き出したところから考えると,コーディングはさらに,開発環境の作成コーディングテストの3段階にわけることもできます。開発というと,このコーディングをイメージする人が多いかもしれません。

それに続く次の段階がデプロイです。これはコーディングが修了したアプリケーションを公開するための作業と考えてください。言い換えれば,デプロイとはアプリケーションのユーザーがアプリケーションを利用できるようにすること。Webアプリケーションの場合は,Web上にサーバーを用意し,そこでアプリケーションのプログラムファイルを配置し,動作させることがデプロイです。

これは,どのプログラミング言語を使っても共通します。

第4章以降では,実際にPythonを使った「Webアプリ開発」の流れが解説されます。それぞれカッコ内のツールを使った方法が紹介されるので(どれも定番ツールです),初学者の方でもわかりやすいと思います。

  • 開発環境の作成(Cloud9)
  • コーディング(Django※)
  • デプロイ(Heroku)

※Django(ジャンゴ)は,Pythonで実装されたWebアプリケーションフレームワークです。

Pythonに興味があり,機械学習エンジニア(≒AIエンジニア)を目指しているという方は,Team AIさんの『機械学習エンジニアになりたい人のための本』も参考になります。

次に学ぶべき言語と技術

プログラマーを仕事にすると,Python一本ではなかなか仕事を続けていくのが難しいかもしれません。そのとき,別の言語も使えるようにしておくことがプログラマーとしての武器になります。はじめはPythonの勉強に集中したほうがいいと思いますが,ある程度理解が深まってきたら,次のプログラミング言語にも手をのばすことをお薦めします。

どれかひとつの言語を習得すれば他には何も学ばなくても良いと思っている人を見かけることがあります。大切なのは,その時代の流れ(≒需要)に合わせて学習を続けられることですので,「どれかひとつを選べばよい」のように凝り固まらないように気をつけましょう。

また,どのようにプログラミングを学習していくか知りたい方は,北村 拓也さんの『知識ゼロからのプログラミング学習術 独学で身につけるための9つの学習ステップ』を読むと,目的に合わせた学習方法が学べます。

著者について

『プログラマーになりたい!』の著者は,長岡 英史さんです。A.T.カーニー(現カーニー)にて戦略コンサルティング業務に携わったのち,メルカリのインターンを経て,起業。その後,プログラマーに転身しました。現在、フリーランスとして、Ruby, PHP, Pythonのプロジェクトに携わっています。

まとめ

本書は,プログラマーの仕事の大枠が理解できる本です。何かをはじめるとき,木を見て森を見ずにならないように,まずは本書などで全体像を把握すると,自分が活躍できるイメージが湧くでしょう。

あなたがプログラマーとして活躍できるのを応援しています。

書名 プログラマーになりたい!
著者 長岡 英史
出版社 日経BP

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